クレーンが数多く使用される分野の1つが海事産業です。この分野には多種多様なクレーンがあるため、どの機種が適しているのか迷いやすくなります。海事産業に携わる方も、クレーンに関心がある方も、使用されるクレーンの種類を区別する必要があります。ここでは、マリンクレーン(船舶用クレーン)とオフショアクレーンの主な違いをご紹介します。

マリンクレーン(船舶用クレーン)
マリンクレーン(船舶用クレーン) は、船の甲板に設置されることが多く、船上で荷物を積み重ねたり移動させたりする際に役立ちます。船に搭載することで、特に長期間海上で過ごす場合に、人件費を大幅に削減できます。設置場所にちなみ、デッキクレーンとも呼ばれます。
特長
● 風の変化に対応し、最も厳しい海況でも作業できます。
● 海上での揺れが≤5°、トリムが≤2°の条件で作業できます。
オフショアクレーン
その名のとおり、オフショアクレーンは通常、外海や大洋で使用されます。船から別の船への貨物移送に不可欠で、石油掘削リグでの使用や、リグへの資材搬送にも対応します。特に石油掘削リグの作業員の負担を軽減します。
このクレーンで際立つのは、その頑丈さです。長期間海上に設置されるため、あらゆる波や海上の極端な気象条件にも十分耐えられる材料で作られています。
特長
● 海上への設置を支える伸縮式の脚を備えています。
● 海況に適応するよう設計されています。
違い
どちらも海事産業で使用するために作られた設備ですが、それぞれ異なる明確な特長があります。期待できる性能や確認すべき点を知ることで、ご自身の用途に適するかどうかを判断しやすくなります。
設置
主な違いの1つは、使用する場所です。マリンクレーン(船舶用クレーン)は、船の甲板にのみ設置できます。強風に耐える強度はありますが、荒波のある海中に設置できるほどの強度はありません。一方、オフショアクレーンは、海上の厳しい天候や波に耐えるよう作られています。より大型で強固なため、海底または石油掘削リグの近くへの設置にのみ適しています。その大きさとかさばる構造により、船の甲板に設置して使用することはできません。
用途
どちらも重量物の吊り上げに使用されますが、作業場所が異なります。マリンクレーン(船舶用クレーン)は通常、船の甲板上の荷を吊り上げ、甲板上で移動させる用途に限られます。
一方、オフショアクレーンは、船から石油掘削リグへの荷の移送や、リグ周辺での移動に対応します。大きな違いではありませんが、両者を区別するうえでよく用いられるポイントの1つです。
